リチウムと食事の塩分

塩分を減らすと、リチウムの血中濃度は上がりやすくなります。増やすと、下がりやすくなります。どちらの向きも大事で、だからこそ一般的な助言は、塩分を変えることではなく一定に保つことになります。

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このページは教育目的であり、医療アドバイスではありません。そして、薬局のカウンターでは誰も注意してくれない相互作用でもあります。薬ではないからです。食事だからです。

塩分を減らすと、リチウムの血中濃度は上がる方向に動きます。塩分を増やすと、下がる方向に動きます。 両方の向きを口に出して言う必要があります。役に立つ結論は、その両方がそろってはじめて出てくるからです。

腎臓がふたつを取り違える理由

腎臓から見ると、リチウムとナトリウムはかなり似ています。確実に見分けられないくらい似ていて、腎臓はリチウムを塩分と少し同じように扱います。

そのふるまいは、そっくりの双子を見分けられない門番のようなものです。塩分が足りないときの指示は ナトリウムを逃がすな であり、リチウムも一緒に抱え込まれます。同じ顔をして入ってくるからです。体から出ていく量が減ります。血液中の濃度は上がります。

塩分が十分にあるときは、その逆です。腎臓はナトリウムを逃がし、リチウムもより多く一緒に出ていきます。濃度は下がります。

「塩分を減らそう」が結論にならない理由、そして「増やそう」も同じ理由

ここが実際に守ってくれる部分です。リチウムの検査値は、ふだんの食べ方を前提にして測られています。

前回の血液検査のあの数字は、錠剤の性質ではありません。いつもの食事、いつもの用量のもとでの、その人のスナップショットです。食事を大きく変えれば、誰も決めていないのに、その数字はどちらかの向きへ動いてしまいます。

だから指示は もっと塩を でも もっと減らして でもありません。だいたい同じ量を、たいていの日に、です。ここで働いているのは目標値ではなく、一定であることです。

変化はどこから忍び込むか

塩分についての決断としてやってくることは、ほとんどありません。たいていは、まったく別の形をしています。

  • 血圧についての新しい助言と、それに伴う減塩の食事。
  • 食べ方の大きな変化。加工食品をやめる、何年ぶりかで自炊を始める、新しい食事プラン、極端なダイエット。
  • 断食。宗教上のものも、そうでないものも。
  • 数時間ではなく数日にわたる大量の発汗。水分だけでなく塩分も失われます。詳しくは 暑い季節のリチウム に。
  • 嘔吐や下痢を伴う体調不良。両方をいちどに奪います。
  • 利尿薬や一部の血圧の薬。腎臓のナトリウムの扱い方を直接変えます。

このうち、薬の判断らしく見えるものがどれだけ少ないか。問題はそこにあります。

よく伝えられること

一般的な傾向としては、塩分と水分の量をほどほどに一定に保つこと、そして予定している変化があれば隠さずに伝えること、です。担当医は食事が変わる前に知りたがることが多くあります。妥当な対応は、何かを禁じることではなく、血中濃度を一度確認することであるのがふつうだからです。

これは一般的な傾向であって、その人への処方ではありません。それに、血中濃度を管理するために食事に塩を足すべき人はいません。それは検査と臨床家の仕事です。

いま注意が必要なサイン

濃度が上がりすぎると、体はたいていそれを知らせます。新しく出た、またははっきり悪化した手の大きく粗い震え吐き気、嘔吐や下痢、足元のふらつきろれつが回らない混乱やいつもと違う強い眠気 に気をつけてください。

リチウム中毒は医療上の緊急事態として扱われます。待つのではなく、その日のうちに担当医かただちに119番に電話して、救急車を呼んでください。急な減塩の食事は、それが起こりやすくなる場面のひとつです。だから食事を変えたあとの数週間は、低いところで連絡してかまいません。

もう一方の向きは、もっと静かでゆっくりです。下がりすぎた濃度は、症状として自分を知らせてはくれません。あとになって、気分に対する守りが薄くなるという形で表れます。緊急事態ではありませんが、食事の変化を「関係ない」と片づけずに伝える理由にはなります。

受診に持っていく質問

「お薬マップ」に一行だけ。食事がこういうふうに変わりそうです。血中濃度を確認しておきますか。 あとからではなく前に聞けば、それは問題ではなくなります。

変わらないルール

ここで読んだことを理由に、リチウムを自己判断で中止・開始・調整しないでください。血中濃度をどちらかへ動かそうとして塩分を使わないでください。濃度が乱れているかもしれないと思ったら、それはケアチームに連絡することです。

よくある質問

塩分を減らすとリチウムの血中濃度は上がりますか?

はい、それがふつうの向きです。ナトリウムが足りなくなると、腎臓はナトリウムをより多く抱え込みます。腎臓はリチウムをナトリウムと似たしかたで扱うため、同時にリチウムもより多く抱え込みます。出ていくリチウムが減るので、血中濃度は上がりやすくなります。

塩分を増やすとリチウムの血中濃度は下がりますか?

おおむねそうです。腎臓を通るナトリウムが増えると、それと一緒に出ていくリチウムも増え、血中濃度は下がりやすくなります。これは得なことではありません。濃度が下がりすぎれば、エピソードに対する守りが薄くなるということです。

では塩分を増やしたほうがいいのですか?

いいえ。大事なのはどちらへ動かすかではなく、一定であることです。検査値は、ふだんの食事を前提に測られています。だから食事が変われば、値はどちらの向きにも動きます。何らかの理由で食事が変わりそうなときは、あとからではなく前に担当医へ伝えてください。

血圧のために塩分を減らすように言われたときはどうしますか?

実際によくある場面で、まさに二人の医師がお互いのことを知っておく必要がある場面です。塩分の助言を捨てるのでもなく、黙って無視するのでもありません。リチウムを飲んでいると伝えて、確認のしかたは医師どうしで決めてもらってください。

出典

危機的な状況にある、または自分を傷つけたいと考えている場合、あなたは一人ではありません。今すぐつながれる支援があります。日本では、死にたい・消えたい気持ちがあるときは #いのちSOS 0120-061-338、つらさをひとりで抱えているときは よりそいホットライン 0120-279-338(いずれも24時間・通話料無料)に電話できます。生命や身体に差し迫った危険があるときは 119。それ以外の地域では、地域の緊急サービスに連絡してください — 今すぐ助けを得るに国別の連絡先をまとめています。

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