双極性障害とECT(電気けいれん療法):いまの治療の実際

多くの人が思い浮かべるECTの場面は、何十年も前の映画のものです。いまのECTは全身麻酔と筋弛緩薬を使い、状態を継続的に確認しながら病院で行われます — 検討されるのは限られた状況で、決めるときにはあなた自身がその場にいます。

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ECTという言葉で映画の場面が浮かぶなら — 台の上で押さえつけられ、けいれんし、麻酔も同意もない、あの場面です — それは珍しいことではありません。あの映像は何十年も前のもので、いま行われていることとは違います。いまの電気けいれん療法は、全身麻酔をかけ、筋弛緩薬を使い、状態を継続的に確認しながら病院で行う処置です。 このページは教育目的であり、医療アドバイスではありません。もしECTがあなたのケアで — あるいは大切な人のケアで — 話題に出たときに、映画の記憶と言い争うのではなく、目を開けたまま話し合えるように書いています。

いま実際に行われていること

処置室には、精神科医、麻酔科医、看護スタッフがいます。作用時間の短い麻酔薬で眠った状態になり、筋弛緩薬を使うので、古い映像のように体がけいれんすることはありません。外から見えるのは、手や足がわずかに動く程度です。頭皮に当てた電極から、測定された短い電流が流れ、ふつう1分足らずの短い発作が起こります。心拍、酸素、脳の活動は、その間ずっと確認されています。

処置そのものは数分で終わり、その日の大半は準備と回復にあてられます。目が覚めたときに、頭痛、あごや筋肉の痛み、吐き気、そして数時間かけて晴れていく混乱を感じる人はよくいます。外来で行い、そのあとは誰かに付き添ってもらう、という形をとる地域も多くあります。

麻酔を使うので、ECTには麻酔そのものに伴う危険もあります。だから事前に体の状態を調べます — 心臓、肺、ほかの持病、飲んでいるものすべて。記憶の話だけでなく、危険の一覧を全部説明してもらってください。

どんなときに検討されるか

ECTは日常的な選択肢ではありませんし、気軽に勧められるものでもありません。話に出るのは、かなり限られた場面です。

  • 十分な量と期間の薬物治療をいくつか試しても改善しない重いうつ状態
  • 重い、あるいは治療が効きにくい躁状態。とくに強い興奮を伴うとき。
  • 緊張病(カタトニア)。ここではより確立した治療のひとつです。
  • 医学的に時間が問われる状況 — 食べられない、水分が取れない、深刻な危険がある — で、薬が効くまで何週間も待つことが安全な計画とは言えないとき。
  • 妊娠中の一部の場合。薬の危険とのつり合いから検討する価値があるとき。
  • 以前にECTでよく反応した経験があり、また重いエピソードに直面している人。

この並びの形に気づいてください。「ほかが全部だめだったから、ついでに」ではありません。重さ、速さ、あるいは特定の状態像についての話です。

一連の治療はどう進むか

ECTは1回で終わるものではなく、一連の治療として行われます。数週間にわたって週に数回、回数はあらかじめ決めるのではなく、反応の様子を見ながら決まります。よくなり方は、一気にではなく少しずつ積み上がることが多いものです。

その後、得られた状態を保つために、間隔をあけた継続的な治療を提案されることもあります。薬は、ECTのあいだも中止せずに続けるのがふつうです — 抗うつ薬や気分安定薬を飲み続けたまま一連の治療を受ける人はよくいます。処方の中で調整が必要なものがあるかどうかは、担当医とECTのチームが一緒に判断することで、あらかじめ聞いておく価値があります。変わらないのは、その下にある原則です。その計画のどの部分も、自己判断で中止・変更しないでください。 ECTを受けるならほかは全部やめるものだと誰かに言われたら、それは担当医と話すことであって、家で決めることではありません。

ひとつ、双極性障害に特有の問いがあります。うつ状態が晴れてくるにつれて、一連の治療が反対の側 — 気分が高まった状態、つまり軽躁状態や躁状態 — へ振れることがあります。よく起きることではありませんが、知られている程度には確かなので、話に出しておく価値があります。気分をどう感じるかだけでなく、睡眠とエネルギーを回ごとにどう確認するのか、そして切り替わりの兆しが出たらどうするのかを尋ねてください。

記憶 — 誰もが尋ねること

これはいちばん大きな心配ごとなので、安心させる言葉より正直な答えが必要です。ここで言う記憶の問題は、ひとつの名前で呼ばれている2つの別の経験です。ひとつは、処置の直後、数分から数時間の混乱 — 見当がつかない、頭にもやがかかる、いま何時かわからない。これは想定されていることで、短時間で収まります。

もうひとつは、治療を受けていた時期の前後の出来事についての記憶の抜けです。一連の治療そのものの数週間は、あとから振り返ると飛び飛びになっていることが多く、人によってはその前後数か月にもやが広がります。多くの人では、その後の数か月でかなり回復します。一部の人では、いくつかの抜けが残ります — そして正直に言えば、これは人によって差があり、あなたについて事前に予測することはできません。治療中は新しいことを覚えておくのが難しくなることもありますが、これは終わったあとに和らいでいく傾向があります。

もうひとつ、絵の中に入れておくべきことがあります。手技によって違います — 電極の位置や電流の流し方は記憶への影響に関わっており、いまの実践はそれを減らすように組み立てられています。そして、重いうつ状態そのものが集中力と記憶を鈍らせます。そのため、治療後のほうが頭がはっきりしたと話す人もいます。どちらも本当のことです。

同意する前に尋ねておきたいこと:どの位置に、どの方法で行う予定ですか。なぜその方法ですか。治療中、記憶はどのように確認しますか。記憶への影響が出たら、やり方を変えますか、いったん止めますか、中止しますか。

決定はどのように行われるか

ECTは、十分な説明を受けたうえで、一緒に決めることになっています。なぜあなたの状況でそれが提案されるのか、現実的な選択肢はほかに何があるのか、期待できることと危険はどれくらいなのか、断った場合はどうなるのか — これらを平易な言葉で説明してもらう権利があります。任意入院・任意の治療であれば、一連の治療の途中でも同意を取り下げられるのがふつうですが、判断能力や強制的な治療についての決まりは国によって大きく違うので、住んでいる場所ではどうなのかを尋ねてください。治療を提案する医療機関は、あなたの状況にどの決まりが当てはまるのかを、はっきり答えられるはずです。

この話し合いを一人で持ちこたえるのは、とても難しいことです。調子が悪いまま一人で決めてしまうのが、ここでよくある落とし穴です。信頼できる人に一緒に来てもらい、質問を前もって書き出し、できるなら考える時間をもらってください。

声の大きい2つの立場は、どちらも正しくない

野蛮な遺物か、奇跡の治療か — どちらもECTの実際とは合いません。これは、限られた場面で本当の役割を持ち、本当のメリットと負担があり、そしてあなたとケアチームが一緒に決めるべき治療です。もし話が出たなら、上の質問を次の受診に持っていってください。

もし今まさに危機のなかにいる、あるいは自分の安全が心配なら、受診を待たないでください。日本では、生命や身体に差し迫った危険があるときは 119(救急) に、暴力や事件など警察の緊急対応が必要なときは 110(警察) に連絡してください。死にたい・消えたい気持ちがあるときは #いのちSOS 0120-061-338、つらさや孤立をひとりで抱えているときは よりそいホットライン 0120-279-338 に相談できます(いずれも通話料無料)。日本以外にいる場合は findahelpline.com で住んでいる場所の窓口を探せます。危機のページに国別の選択肢をまとめています。

よくある質問

ECTは痛いですか?

痛くありません。処置そのものは麻酔がかかった状態で行われるので、眠っていて何も感じません。そのあとに、頭痛、あごや筋肉の痛み、吐き気、数時間で消える混乱を感じる人はよくいます。多くは対応できる範囲のものですが、あらかじめケアチームに聞いておく価値があります。

ECTで記憶が損なわれますか?

記憶への影響は、いちばんよく尋ねられ、いちばん研究されてきた心配ごとです。処置の直後の混乱はよくあることで、短時間で収まります。治療を受けていた数週間の前後の記憶が抜けることも多く、多くの人ではその後の数か月で改善していきますが、一部が残ることもあります。手技や電極の位置が影響するので、まさにそこを担当の精神科医に尋ねてください。

ECTは最後の手段ですか?

そうとは言い切れませんし、この違いは大切です。ほかの治療で効果が出なかったあとに検討されることが多いのは確かですが、話が出るのはそれだけではありません。薬が効くのを待てないほど早い反応が必要なとき — 食べられない、水分が取れない、深刻な危険があるとき — にも検討されます。ですから正確な言葉は「最後」ではなく「限られた場面」です。日常的に最初に選ばれるものではありませんが、行き止まりでのあきらめでもありません。

出典

危機的な状況にある、または自分を傷つけたいと考えている場合、あなたは一人ではありません。今すぐつながれる支援があります。日本では、死にたい・消えたい気持ちがあるときは #いのちSOS 0120-061-338、つらさをひとりで抱えているときは よりそいホットライン 0120-279-338(いずれも24時間・通話料無料)に電話できます。生命や身体に差し迫った危険があるときは 119。それ以外の地域では、地域の緊急サービスに連絡してください — 今すぐ助けを得るに国別の連絡先をまとめています。

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