教育目的の内容です。医療上の助言ではありません。ここに書かれたことを理由に、自分の判断で薬を始めたり、やめたり、変えたりしないでください。その相談は担当医と行います。

30秒でわかること

  • 時間数ではなく、リズムです。 体内時計は、一日のなかのありふれた「時刻の合図」から自分を合わせます。双極症では、その時計が特に敏感です。
  • 毎日のアンカーは5つ。 毎日ほぼ同じ時刻に、ベッドから出る、最初に人と接する、一日の主な活動を始める、夕食をとる、寝る。
  • 要になるのは起床時刻です。 週末も含めて、毎日ほぼ同じ一時間の範囲で起きます。
  • 長さより規則性です。 一定した七時間は、ばらばらな九時間よりも支えになります。
  • 薬の代わりではなく、薬と一緒に使うものです。 治療法そのものではなく、ひとつのレバーです。そして、落ち着いている時期に作っておくのがいちばんです。

まず、正直な前提から

生活のリズムを整えることは、強いレバーになります。でも、治療の代わりにはなりません。担当医と一緒にすでに取り組んでいることの上に乗って、治療をより安定させるもの、と考えてください。

体内時計は、一日の出来事から合図を受け取ります

体は体内時計で動いています。そしてその時計は、自分だけでは合いません。一日のありふれた「時刻の合図」に耳を傾けています。いつ起きるか、いつ最初に人と話すか、いつ食べるか、いつ働くか、いつ眠るか。

研究者は、こうした合図をツァイトゲーバーと呼びます。ドイツ語で「時間を与えるもの」という意味です。

これが双極症にとって大事な理由があります。この病気では、体内時計が特に敏感なのです。夜行便、赤ちゃんの誕生、交代勤務、別れ、時刻の切り替え——日々の合図が散らばると、その時計が外れます。そして、外れた時計は、揺らぎやすい脳を上向きにも下向きにもエピソードへ傾ける、もっとも確かな経路のひとつです。

これが、精神科医エレン・フランクが作った対人関係・社会リズム療法(IPSRT)の考え方です。リズムを守れば、気分も守れる。彼女の臨床試験では、日課をより一定に保った人ほど、次のエピソードまでの期間が長くなりました。

たぶん経験したことのある「時間差」

生活が一、二週間、軌道から外れたときのことを思い出してください。時差のある旅行。締め切りの続く時期。睡眠をめちゃくちゃにした別れ。

そして数週間後、気分がやってきた——高すぎるか、低すぎるか。まるで時間差で、あの混乱とは無関係のように。

実は、大いに関係しています。その間に体内時計が外れ、あとから気分を引っ張っていったのです。

そして、ここには希望があります。散らばった日課が気分を揺らせるのなら、一定の日課は気分を安定させることもできます。

ティールの水のなかで、ばらばらに散って漂う時計の歯車と外れた針。

道具:毎日の5つのアンカー

人生全体を管理する必要はありません。この5つの出来事を、毎日だいたい同じ時刻にするだけです。

  1. ベッドから出る時刻。
  2. 最初に人と接する時刻。
  3. 一日の主な活動を始める時刻。 仕事、勉強など、その日の中心になっているもの。
  4. 夕食の時刻。
  5. 寝る時刻。

それだけです。完璧でなくていい。一定であればいい。心まで予定表に入れるわけではありません。5つのシンプルな出来事にだいたい決まった時刻を与えて、体が「いま何時なのか」を推測しなくてすむようにするのです。

自分で確かめる簡単な方法が、「知らない人テスト」です。知らない人が一週間あなたを観察したら、起きる時刻、食べる時刻、眠る時刻を一時間以内の誤差で予測できるでしょうか。できるなら、時計には合わせる相手があります。日ごとに五人の別人が暮らしていたように見えるなら、時計は目隠しで飛んでいます。そして、目隠しの時計は揺らぎやすい時計です。

要石:起床時刻

5つのうち、残りを支えているのはひとつです。起きる時刻です。

朝を固定すると、その後の一日もそろいやすくなります。毎日同じ時刻に光が目に入り、エネルギーが整い、体内時計は「一日の始まり」をはっきり受け取ります。

だから、寝だめで取り戻そうとすると、静かに逆効果になることがあります。週末だけ大きく違う起床時刻は、家を出ずに自分に与えている小さな時差ぼけです。

ひとつだけ変えるなら、これを変えてください。週末も含めて、毎日ほぼ同じ一時間の範囲で起きる。これを「起床アンカー」と呼びます。(朝そのものを段階的に作っていく方法は、双極症の睡眠でいちばん大事なルールで詳しく扱っています。)

リネンのカーテンを手で引くと、朝の光が差し込んでくる。

長さより規則性

これは意外に思われることが多いのですが、一定した七時間は、ばらばらな九時間よりも双極症の脳を支えます。

平日は六時間、週末は十一時間眠る人は、小さな時差ぼけを繰り返し自分に与えています。地味でも均一な予定を守る人は、体内時計に本当に信頼できるものを与えています。

長さだけでなく、一貫性を目指しましょう。

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生活がリズムを壊そうとするときこそ、いちばん強く守る

リズムを乱すものは、わかっています。時差のある旅行、時刻の切り替え、締め切りの週、赤ちゃんの誕生、夜の外出。エピソードが入り込もうとするのは、こういう時期です。いつも避けられるわけではないので、そのぶん先に備えます。

  • 飛行機で移動しますか。 到着する前に新しい起床時刻を決め、初日の朝は外に出て朝の光を浴び、睡眠不足が知らないうちに積み上がらないようにします。
  • 大変な週が来ますか。 起床アンカーを緩めるのではなく、いつも以上に守ります。
  • 短い睡眠が続いていますか。 それを早期サインとして扱ってください。勲章でも、「今は生産的なだけ」でもなく、担当医に伝える価値のあるデータです。

睡眠不足は、始まりつつあるエピソードの症状であるだけではありません。ときには、火をつけるマッチにもなります。(その悪循環については、睡眠が1時間減っただけで、躁は始まるのでしょうかで詳しく書いています。)

正直な限界をひとつ

これはレバーであり、治療法そのものではありません。研究のうえでも、薬と並んで加える方法という位置づけで、単独で解決するものではありません。

そして、いちばんよく働くのは、落ち着いている時期に作っておく、地味で一定した日々の手入れとしてです。そうしておけば、つらい時期が来たときには、もう支えになっています。

最初から、ルールはリズムでした

気分をいちばん守ってくれる時刻は、眠りに落ちる時刻ではありません。自分で選んで起きる時刻です。それを来る日も来る日も一定に保つうちに、体内時計は推測をやめ、気分はしっかりした地面に立てるようになります。

本当のルールは、最初から睡眠ではありませんでした。リズムです。

今週ひとつだけやるなら、起床時刻から始めてください。それだけです。見た目以上の力があります。