双極症には、「上がる」「下がる」だけでは説明できない状態があります。気分は底にあるのに、頭と身体だけが走っている。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。
Click to play · loads YouTube危機的な状況にある、または自分を傷つけたいと考えている場合、あなたは一人ではありません。今すぐつながれる支援があります。日本では、死にたい・消えたい気持ちがあるときは #いのちSOS 0120-061-338、つらさをひとりで抱えているときは よりそいホットライン 0120-279-338(いずれも24時間・通話料無料)に電話できます。生命や身体に差し迫った危険があるときは 119。それ以外の地域では、地域の緊急サービスに連絡してください — 今すぐ助けを得るに国別の連絡先をまとめています。
聴くほうがよければ、この記事はBipolar Clarity Podcastのエピソードでも配信しています。エピソード17を聴く →
30秒でわかること
- 混合状態では、気分とエネルギーが反対方向に動きます。気分は深く沈み、エネルギーだけが高くなります。
- 危険なのは、うつの暗さと、行動するためのエネルギーが同時にあることです。だから、安全を最優先にします。
- よくあるサインは、暗い内容の思考が高速で回る、身体が落ち着かない、眠りたいのに眠れないの3つです。
- まず目標にするのは、気分を無理に上げることではなく、エネルギーを下げることです。エネルギーが下がると、気分も扱いやすくなります。
- これは性格の問題ではありません。医療的にも見逃さないほうがよい状態です。危ないと感じるなら、一人で耐える段階ではありません。
なぜ混合状態はわかりにくいのか
気分をひとつの線で考えると、混合状態は理解しにくくなります。実際には、少なくとも2つのつまみがあります。
ひとつは気分。もうひとつはエネルギーです。
多くの場合、落ち込むとエネルギーも下がります。上がるとエネルギーも上がります。でも混合状態では、この2つが別々に動きます。気分のつまみは下に落ち、エネルギーのつまみは上に上がる。
その結果、「死にたいほどつらいのに、じっとしていられない」「疲れているのに頭が止まらない」という、非常に苦しい状態になります。
サイン1:暗い内容の思考が高速で回る
混合状態では、考えの速さだけ見ると軽躁に似ていることがあります。でも、中身が違います。
軽躁では、大きなアイデアや新しい計画が次々出ることがあります。混合状態では、考えは速いのに、中身は暗い。
「全部終わった。」
「自分は迷惑だ。」
「どこかへ逃げたい。」
まるで、10台のラジオが同時に暗い言葉を流しているように感じることがあります。これを「本当の自分の考え」ではなく、症状のひとつとして名前をつけるだけでも、少し距離ができます。

サイン2:身体の落ち着かなさ
2つ目は身体です。歩き回る。指を動かし続ける。手を握ったり開いたりする。皮膚の内側がむずむずして、じっとしていられない。
これは「落ち着きがない性格」ではありません。エネルギーのつまみが上で固まっている状態です。
本人の感覚としては、疲れているのに、電気が流れているように感じることがあります。これが混合状態のしんどさです。
サイン3:眠りたいのに眠れない
3つ目は睡眠です。眠りたくないのではありません。むしろ眠りたい。終わらせたい。休みたい。でも眠れない。
そして、睡眠不足は火に油を注ぎます。眠れないほどエネルギーは乱れ、考えは暗く速くなります。だから混合状態では、刺激を減らし、身体を休ませることがとても大切です。
安全の話
もし「消えたい」「自分を傷つけたい」「もうここにいたくない」という考えがあるなら、それは気合いで耐える問題ではありません。医療的な緊急サインとして扱ってください。
日本で今すぐ危ない場合は、119(救急)または110(警察)に連絡してください。死にたい・消えたい気持ちがあるときは、#いのちSOS 0120-061-338 や よりそいホットライン 0120-279-338 に相談できます。危機のページに国別の窓口をまとめています。身近な人に、今すぐ「一人でいるのが危ない」と伝えることも大切です。
助けを求めることは、弱さではありません。混合状態では、それが正しい判断です。
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無料で登録するまずエネルギーを下げる
混合状態では、気分を無理に明るくしようとするより、まずエネルギーを下げるほうが現実的です。
- 刺激を減らす。 テレビを消す。スマホを別の部屋に置く。照明を落とす。音を小さくする。脳に入る燃料を減らします。
- 決めないルール。 「混合状態では、取り返しのつかない決断をしない」 と決めておきます。退職、別れ、大きな買い物、長文メッセージ。今日ではなく、来週の自分に渡します。
- 身体を落ち着かせる。 顔を冷やす、冷たいものを持つ、暗い部屋で横になる。自分の医師に合う方法を確認しながら、身体からブレーキをかけます。
薬と周囲の人も、地図に入れる
混合状態は、薬の影響が関係することもあります。たとえば、抗うつ薬がエネルギーだけを上げて、気分は上がらないように感じることがあります。もし思い当たるなら、薬を自分で止めるのではなく、早めに主治医へ連絡してください。
周りの人には、安定しているときに短い説明を渡しておくと役に立ちます。
「私は混合状態のとき、怒っているように見えるかもしれないけど、内側では怖くてたまらない。議論しないで、明かりを落とす、水を持ってくる、少し距離をくれる、という形で助けてほしい。」
これがあると、相手は怖がって反応する代わりに、役割を持てます。
嵐は始まり、中間があり、終わりがある
混合状態を追うには、毎日2つの数字だけでも十分です。
- 気分:1〜10
- エネルギー:1〜10
たとえば、気分2、エネルギー8なら、混合のサインです。待って悪化させるより、主治医や支援者に早めに伝える価値があります。
小さな「避難キット」を作っておくのもよい方法です。イヤホン、アイマスク、水、落ち着く音声。混乱の中で探さなくて済むように、一か所に置いておきます。
そして覚えておいてください。混合状態は、天気のようなものです。始まりがあり、中間があり、終わりがあります。あなたは嵐そのものではありません。嵐が通り過ぎる間、安全な場所に入る人です。

出典
- National Institute of Mental Health — Bipolar Disorder
- Depression and Bipolar Support Alliance (DBSA)
- よりそいホットライン